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弁護士ブログ

証人といわれる人にお会いして

2016年9月1日

今日はある事件処理のために、神奈川県西部にある、とある地域を訪れ、証人になっていただけそうな方、つまり「証人といわれる人」にお会いして、その方が知っておられる事実を確認し、証人になって頂けるかの意思を確認しに行って参りました。

民事であれ、刑事であれ、裁判所には整理された証拠が提出されますが、提出された10の証拠の陰には証拠検討と確保のための100の労力が詰まっています。

法廷だけではこの辺りの弁護士の仕事は、想像はしていただけるかもしれませんが、なかなか実感としては伝わらないことと思います。

かつてのアメリカの国務長官であったキッシンジャー氏が、10の国際交渉を成功させる陰で100の努力をするものだと言われたのを聞いて、膝をたたく気持ちになったことを思い出します。

あらゆる仕事には、表に出ない作業が必要ですね。

しかしまた、これが仕事の醍醐味でもあります。

今日の事件とは全く別の事件では、事実を知っておられるに違いない方なのに、何も協力しようとされない「証人といわれる人」がいます。

今日の事件では、その方にとって見ず知らずの弁護士であるにもかかわらず訪問の趣旨をしっかり聞かれて、何の関係もない事件当事者の訴訟案件に関して、ただ事実を事実として説明していただくことを了解して頂きました。


勿論、事件解決のために伺っているのですが、その作業を通じてこの世における人間の赤裸々な姿に接し、時に熱くなる思いを感じさせられることがあります。

ふと、30年近く前の事件を思い出します。

国の機関が関わる損害賠償事件で、海辺にある田舎町を訪ね歩き、その機関の現役職員が否定する事実を、OB職員が淡々とあるがままに説明され、最後に駆け出しの若造弁護士であった私に向かって、「先生、頑張ってください」と言われたことを。
この方は人としての信念を貫かれた、その思いを未熟な弁護士に託された、とあの時思いました。

弁護士の実像は、ドラマ仕立ての姿とかけ離れた、地味で泥臭いところがあります。

裁判とか、紛争というものの本質的な性向がそうだからでしょう。

江戸時代の公事方を見るまでもなく、人の営みの中で、紛争は昔からあり、人が関わる以上紛争は今後も絶えることはないでしょう。

そんな中で、人はそれが自分の問題でなくても、突如として「証人といわれる人」になり、難しい対応を迫られることがあります。

そのときの「証人といわれる人」としての覚悟は、人生における信念とその人が全人生の中で持つ温かみに依存するように思われます。

そしてそれを仕事とする弁護士としては、事実に向かって最後まで諦めないという気持を持ち続けていることだと思います。